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Awards

パラソルギャラリーの実績

■千葉都市文化賞 グランプリ

千葉都市文化賞2016グランプリをパラソルギャラリーが受賞しました。

都市文化賞とは、景観法の制定や千葉市都市景観条例の改正を契機としてより幅広く魅力ある景観形成を実現するため、都市を彩る街並みや広告物、地域や街づくりの活動などを表彰するものとして平成23年度から始まり、今年度で6回目を迎えた表彰制度です。

パンフレットダウンロード
千葉都市文化賞授賞式当日の様子

​総評 

 「文化」は「空間」で表徴されると同時に、「時間」の経過の中で育まれていくものです。例えば、時を経るに連れて、衰退し、寂れ、記憶から消滅していくものを、我々は「文化」と呼ぶでしょうか。時とともに、磨かれ、活性化し、人々の生活を楽しく、豊かに賦活するものこそ「文化」の名に相応しいのだと思います。「文化」は「時間」によって「熟成」されるものだからです。

 しかし、資本主義経済が高度に昂進する現在では、「文化」はとても旗色が悪く見えます。なぜなら「時間」の関数である「文化」は、すぐには商品化しづらいからです。身も蓋もない言い方ですが、「それは儲かりますか?」といった数値化しやすい価値が優先的に問われます。ですから、「時間」と強くかかわりがあるものは、短期的には利益を生み出さないという理由だけで、価値のないものと見なされがちです。そして、「自然」は壊され、「伝統」は忘れられ、「文化」はないがしろにされてきました。

 特に、「都市」においてその傾向が顕著にあらわれてきます。昨日まで慣れ親しんだ「景観」がわずかな時間で改変されてしまいます。しばらくすると、以前のそこは、どのような「景観」であったのかさえ、思い出せなくなるほどの「速度」で変化していきます。消費の坩堝である「都市」では「時間」を削ぎ落とすために、「速度」も重要なファクターになります。ほんとうは「時間」がゼロになることが最も合理的で、効率的な経済活動だとも言えるからです。

 

 こうした忙しい資本主義経済社会の中で忘れられているのは、「人間は時間的存在である」ということです。肌触りのある人間の営為は常に「時間」とともにあるということです。そして、言うまでもなく「文化」は「人間という時間的存在」によってのみ、生み出されるということを忘れてはならないと思います。

 

 「都市文化とはなにか」という問いかけは、常にこの審査会の中で議論されるメインテーマですし、この賞が存続するかぎり問い続けられるものでもあります。今回の都市文化賞では、特に前段で述べたように「時間」という観点を重視しながら応募作を、それこそ時間をかけて審査しました。

 

 そしてグランプリとして「景観まちづくり部門」で応募された「パラソルギャラリー」を選定しました。時間を遡ると、2000年に千葉駅前大通りが完成しました。ケヤキ並木で彩られ、石舗装の歩道も拡がり、美しく整備された千葉市の顔です。しかし、より魅力的な「都市景観」とするには人の賑わいが必要不可欠です。

 「パラソルギャラリー」はこうした賑わいを演出するために、千葉市が主催する「都市景観市民フェスタ」の一環として2000年に第一回が開催されました。パラソルを舞台に見立て、創作活動をする人たちがまちなかにギャラリーを開き、そこに人が集まり、賑わいを作り出します。

 

 2009年に千葉市からの補助金が無くなりましたが、実行委員である出展者が費用を自己負担し、現在まで長きにわたって続けられています。しかも、年々出展者、来場者が増え、街の風物詩として定着してきました。当初から千葉大学が運営に深くかかわり、実践的まちづくり教育の場になっているのも効果をあげています。さらにこの活動は、イベント時だけではなく、日常においても賑わいを演出する路上の利活用を促しています。

 「市民」と「行政」と「大学」が一体となって作り出し、長い時間をかけて進化させてきた「賑わいの景観づくり」とも呼びうるこの活動は、千葉市が全国に誇れる「都市文化」として高く評価したいと思います。

千葉市景観総合審議会
千葉市都市文化賞表彰選考部会 部会長 栗生 明